私は現在うつ病で休職していますが、初めて心療内科の病院へ行くときはためらいがありました。
そもそも病院自体に行くことも滅多になく、どういう流れで診察を受けるのかもよく分かっていませんでした。
そのため、ぎりぎりまで病院に行かなかったために、ますます病んでしまい休職することになりました。
休職してもお金を得ることは出来ますが、病まずに済むなら越したことはありません。
ここでは、私が病院で「うつ病」と診断され、休職のために「診断書」をもらうまでの流れを、実体験を元にして書いていきます。
この記事の目次
うつっぽいときは、心療内科、精神科、神経科の病院に行く
最近、精神状態が不安定でうつっぽいと感じているなら、次のような症状が出ていないかチェックしてみてください。
うつ病の可能性がある症状とは?
朝起きるのがつらい
会社に行きたくない
吐き気がする
やる気が起きない
イライラする
何事をするのも億劫
自殺したい
食欲がない
よく眠れない
体がだるい
疲れやすい
何事にも興味がなくなった
気分が落ちこんでいる
もしこれらの症状が複数出ていて、二週間以上も続いている場合は、うつ病にかかっている可能性があります。
私が病院に行くことになったときには、全ての症状に見事に当てはまっていました・・・。
いくつも症状が出ているなら、これ以上悪化させないためにも一度病院で診てもらうことをおすすめします。
心療内科、精神科、神経科の違いは?
先ほどチェックした症状を専門に診てもらえる病院は、心療内科、精神科、神経科の病院となります。
それぞれの病院で担当している病気が異なっています。よく似ているため何が違うのかよく分かりにくいですが、それぞれの違いを簡単に説明します。
心療内科
身体の症状が強く出ているが、内科で診てもらっても異常がなく、精神的なストレスが原因と思われる場合。
例:吐き気がする、体がだるい、疲れやすい等
精神科
心の症状が強く出ている場合。
例:不眠、不安、イライラ、落ち込み、幻覚・幻聴、無気力、自殺願望がある等。
神経科
神経の異常が疑われる症状が強く出ている場合。
例:身体の動きがおかしい、身体がふるえる、身体が傾く、力が入らない等。
このような違いがあるので、病院に行くときにはどの症状が強く出ているかで選んでみてください。
どの症状も強く出ていてよく分からない場合は、心療内科、精神科、神経科の全てに対応している病院に行って見ることをおすすめします。複数の専門に対応している病院は多いです。
私の場合は、身体も心も症状が同じくらい出ていたので、心療内科、精神科、神経科の全てに対応した病院に通っています。
心療内科、精神科、神経科に行くのは敷居が高い?
病院に行った方が良いと思っていても、いざ行くとなるとためらってしまうことがあります。心療内科、精神科、神経科の病院と聞いたら、恐らく良いイメージを持っている人は少ないと思います。
私も最初は、何だか暗そうで閉鎖的で、病院に来ているのは頭がおかしな変な人達ばかりでは?との先入観があり、長い間病院に行くことをためらっていました。
でも実際に通って見て分かりましたが、他の内科や歯科、眼科の病院と同じで、院内は明るく清潔感があり、病院に来ている人はいたって普通の人達なので雰囲気は落ち着いています。
そのため、心療内科、精神科、神経科の病院に行くことは、他の病院に行くのと同じくらい敷居はすごく低いのです。精神が少し不調に感じたときは行ってみるとか、もっと気軽に通ってみてもいいと思います。
総合病院か専門病院のどちらが良い?
心療内科、精神科、神経科は、それ専門に担当している専門病院か、内科や眼科などいくつもの科を含む総合病院にあります。
専門病院の場合は、最近は「○○メンタルクリニック、○○クリニック」と名前が付けられていることが多いです。
専門病院か総合病院のどちらに行くか迷いますが、私の場合は選択の基準として通いやすさを重視して専門病院に通っています。
理由としては、総合病院は家から遠く規模が大きいため、待ち時間が非常に長いイメージがあったことに対して、専門病院は近くにあり規模が小さいため待ち時間が少ないと思い、家から通いやすいと判断したからです。
これから治療のために何度も通院することになるので、通いやすさは結構重要です
うつ病のときは気力がなく家から外に出ることが辛いため、病院に行くまでに時間がかかり、診察までに時間がかかるとなると、それだけで行けなくなります。
通いやすい病院であれば、まだなんとか続けて行くことが出来ます。
このように、自分が通いやすい病院を選ぶようにしてください。
診察は予約制か飛び込み制のどちらが良い?
次に選択の基準として重要なことは、診察が予約制か飛び込み制のどちらかです。
予約制は診察時間が決まっているので、待ち時間も少なく予定が立てやすくなるメリットがあります。しかし、逆にあらかじめ予約時間が決まっていると、その時間に行かなければと追い立てられる感じが負担にもなります。
うつ病だとその日の気分によって外に出れないことが多く、どうしても予約の時間通りに行けないことがあります。
そのため、多少待ち時間が増えますが、飛び込みでいける病院の方が自分で行く時間をコントロールできるので通いやすいです。
私が通っている病院は、初診時、再診時を含め、予約が不要なところを選びました
診察を受けるときにあらかじめ予約が必要かどうかは、病院のサイトに記載されていることが多いので、まずはサイトを確認してみてください
もし書いていない場合は、電話して確認することになります。
病院の受付で初診であることを伝え、問診表を記入する
病院に行ったときには、受付で初診だと伝えると健康保険証を渡すことになります。その後、問診表が渡されるので待合室で記入して待ちます。
初診時に心療内科の問診表に記入する内容は?
私が通っている病院では、初診時に問診表に記入する項目は次の内容でした。
睡眠は取れているか(平均睡眠時間)
食欲はあるか(体重の変化はあるか)
家族も同じような病気にかかったことがあるか
飲酒や喫煙はしているか
どこで(誰から)この病院を知ったか
病院により記載する内容は若干異なると思いますが、基本的に問診表の内容に従って診察が行われるので、スムーズに診察が進むようにしっかり記入した方が良いです。
医師の診察を受ける
問診表記入後、待合室で自分の名前が呼ばれるまで待ちます。
そして、医師の診察では、先ほど書いた問診表の内容を元にして質問されていくので、答えていくことになります。心療内科、精神科、神経科では、基本的に診察は問診がメインです。
どのような症状が出ていますか?
いつごろから症状が続いていますか?
何か思い当たる原因はありますか?
以前にも同じ症状が出たことはありましたか? 等々
このとき、自分の症状を上手く伝えることが出来ないと、あなたがどんな状態なのか医師が分からないので、正しい診断が出来なくなります。
うつ病の診察時に伝えた具体例は?
うつ病と診断された私の場合は、医師に次のような状態であることを伝えました。
もしあなたが同じような状態なら、うつ病だと診断される可能性は高いです。
三ヶ月前頃から食欲がなくなり、夜はなかなか眠れず、眠っても朝早くに目覚めてしまい、体がだるく朝起きて仕事に行くのがすごく辛い。
そして会社に行くことを考えると吐き気がし、何もする気が起きず、死んでしまいたいとよく考えている。
仕事では納期に追われるプレッシャーや長時間残業と上司からのパワハラによるストレスを強く感じており、仕事のことを考えると不安になり涙が出ることがある。
私の初診の診断結果は、うつ病の可能性が高いが、まずは二週間薬を飲んで症状が改善するか経過を見ることになりました。
初診から診断書はもらえる?
私の場合は、初診から診断書が出されませんでしたが、明らかに症状が重い場合、すぐに治療しなければ今にも自殺しそうである場合には、初診から診断書は発行されると思います。診察が問診メインであるため、いかに症状が重くて辛いことを伝えられるかによります。
基本的に診断書は、うつ病を治すためには休職する必要があると医師が判断した上で発行されます。
病院・医師によっては症状がそんなに重くなさそうでも初診から診断書をすぐに出してくれるところもあります。
しかし、多くの病院・医師では、症状がそこまで重くないように見える場合は、うつ病に見えても違う可能性もあるので、初診からうつ病だと診断せずに、何度か症状の経過を見た上で、それでも改善しなければ正式に診断することが多いです。
初診から、休職したいので診断書を発行してほしいと伝えることは可能ですが、医師からすれば、病名が確定していないのに休職したいからと言う理由で患者側から言ってくるのは変だと感じます。
あくまでも、病気を治すためには仕事を休んだ方が良いと医師が判断した上で、患者が休むことに同意して診断書を出してもらうのが自然です。
つまり、今すぐ休職したいと思って限界ぎりぎりになってから病院に行くよりは、その一歩手前のときから病院に通っていれば、診断書は発行されやすくなります。
初診時に処方される薬は?
症状として眠れない、食欲がない、不安感が出ていたため、睡眠導入の効果のある薬と不安をやわらげる効果・食欲を増進させる効果のある薬の2つがまず処方されました。
この薬だけで症状が治まれば軽度のうつですが、私の場合はそれだけでは治らず、二回目の診察では抗うつ薬と呼ばれる、うつ病を治すための専門の薬も処方されることになりました。
そのとき処方された抗うつ薬についてはこちらで詳しく紹介しています。
初診時の診察時間と診察代は?
初診時は診察時間が10分ほどで、健康保険適用時の診察代と薬代は合わせて4000円ほどでした。
症状が改善しないなら再診時に診断書が出される
私の場合、先ほどの薬を二週間飲んでも症状が改善しなかったのと症状が悪化していたので、二回目の診察では正式にうつ病であると診断されました。
そして、仕事のストレスが主な原因であることを医師に伝えていたため、症状を改善するためにはストレスから離れて会社を休職する必要があると診断を受けました。
発行された診断書には、うつ病のため一ヶ月の休養が必要と記載されていました。
医師により診断書を出すタイミングは異なると思いますが、何度も通院しているのに症状に改善が見られず、仕事のストレスが原因でさらに悪化すると判断された場合には、診断書は必ず出されます。
症状の主な原因が仕事のストレスであり、会社に行けばさらに悪化することを医師によく伝える必要があります。
診断書の金額と診察代は?
診断書の発行にかかる金額は、健康保険の対象外のため高く、私の場合は3500円ほどかかりました。診察代、薬代は健康保険適用のため3000円ほどでした。
診断書を会社に提出し休職する
会社での休職の手続きの流れは?
診断書が発行されたら、会社の上司(課長など自分の上司)に診断結果を伝えると共に診断書を提出することで、治療のため休職することになります。
私の場合は、朝出社したときに課長へ診断書を出しつつ、うつ病だと診断されたこと、治療のためには会社を休む必要があると診断されたことを伝えました。
その後、課長との面談、産業医との面談、人事との面談がそれぞれ1回ずつありました。
休職前の面談で聞かれる内容は?
課長との面談では、どういう症状がいつごろから続いているのか、病院にいつから通っているのか、思い当たる原因はあるか、業務の引継ぎについてが主な内容でした。
産業医との面談では、どういう症状がいつごろから続いているのか、過去に同じようなことがあったか、どの病院にいつから通っているのか、思い当たる原因はあるか、人間関係・仕事の負荷はどうだったか、部署の雰囲気について、ストレスの解消法はあったか等、かなり細かく聞かれました。
人事との面談では、休職・復職する場合の事務手続きの説明が主な内容で、休職中には課長に通院ごとに症状の経過を連絡(メールか電話)することも伝えられました。
そして面談が終わると簡単に業務の引継ぎを終え、手続きを済まし休職することになりました。
もし最初の段階であなたの上司が診断書を受け取ってくれないなど、まともに取り合ってくれない場合には、上司のさらに上の上司、または、直接人事部門に診断書を提出するようにしてください。
うつ病で休職してお金を手に入れる
休職の手続きが済み、いざ休むことになると休職中の収入が気になるところですが、休職してもお金を手に入れる方法があります。次の流れのように行うことをおすすめします。
うつ病で休職し傷病手当金を確実に受け取る
休職したら傷病手当金の申請をする
会社が原因でうつ病になってしまったので労災の申請をする
※詳細についてはそれぞれのリンクから確認してください。
労災認定された場合
労災認定されたら休業補償給付を受給する(傷病手当金は返還)
労災認定されなかった場合
傷病手当金の受給期間終了後は障害年金の申請をする
※詳細についてはそれぞれのリンクから確認してください。
私の場合は最初に傷病手当金を受給し、その後で労災認定を受けることが出来たので現在は休業補償給付を受給しています。
労災認定を受け休業補償給付を受給することがベストですが、もし受けられなかった場合でも、傷病手当金と障害年金を受給することでお金は手に入ります。
お世話になります。
6年前よりうつ病で受診しています。4月30日で退職しています。
このたび障害手当金を申請しようと思っているのですが
毎月2回ほど診療を受けていましたが、薬も余っており4月は一度も
病院に行けておりません。
2か月近く診療があいていますが医師の意見書が記入して頂けるか
不安です。
6年間同じお医者です。
また薬を頂くだけでも受診を受けたことになりますか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、お返事お待ちしております。
宜しくお願い致します。
こんにちは、水兎です。
ご質問の回答としましては、診療の期間が空いていても、同じ医者であれば症状の経過が分かっているので意見書は書いてもらえます。
また、薬をもらうだけでも受診していたことにはなりますが、そのときにうつ病で労務不能であると診断されている必要もあります。
もし退職後に”初めて”傷病手当金を申請されるなら、休職期間を満了しそのまま出勤することなく退職されたのであれば問題なく申請できるのですが、そうでない場合は次の条件を満たしている必要があるのでご確認ください。
まず、退職日に労務不能だったことが絶対条件です。つまり、退職日に出勤していたら申請できません。
つぎに、退職日の前日までに連続3日以上の労務不能期間(欠勤、有給、土日祝日含む)があることです。
※労務不能期間はうつ病のために会社を休んでいた期間です。
そして、退職日まで健康保険を継続していて1年以上の被保険者期間があることです。
詳しくはこちらで解説されておりますので参考にしてください。
http://shoubyou.com/index.php?%E9%80%80%E8%81%B7%E5%BE%8C%E3%81%AE%E5%82%B7%E7%97%85%E6%89%8B%E5%BD%93%E9%87%91%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%81%8D